useとborrow、英語で「借りる」という動詞ですが、その使い方や使い分けを以前解説しました。
「「use」と「borrow」借りる違いと使い分け|英文法動詞」
今回は、利害関係が絡む場合、つまりお金を借りるとき、useとborrow「借りる」について説明します。
useでお金を借りる
利害関係が絡む「借りる」といえば、真っ先に思い浮かべるのはやはりお金です。お金を借りる。
このとき使う英語の動詞は、useでしょうか、それともborrowでしょうか。
主に、
- 金額
- 返す気があるか
- 状況
- 目的や意図
で、useとborrowの「借りる」が使い分けられるように思います。
【例1】
1. 小額
2. 返す気は無い訳では無いが、多分返す必要無し
3. 深刻ではなくカジュアル
4. 大した目的ではない
こういうときは、useがぴったりです。
あなたがコンビのレジで、買った商品のお金を払っています。合計1,323円。しかしお財布には、1,322円。1円足りません。1円に泣くとはこのことですね。
家に現金があるので取りに帰るか、カードで支払うか・・・。
あなたは後ろに並ぶ客に、1円借りていいかと尋きます。
May I use your one yen? あなたのその一円、借りてもいいですか?
金額は1円で小額。後で返す気はあるけど、多分返す必要は無し。多分そのお客も、1円の為にわざわざ取りに来ることもないと思われる。状況は至ってカジュアル。お金を借りる目的は、1円が足りなかっただけ。
日本語でもお金を使うと言うと、そこに返済の意志は含まれません。
I've used up 1,000,000yen. 100万円使い切っちゃった。
ですから、金額の大小関係なく、useを使ってお金の無心をしてくる人がいたら、こいつ返済する気は無いな、と思いましょう。
borrowでお金を借りる
ではborrowを使ってお金を借りるときは、どんな場合でしょう。
1. 小額〜多額
2. 返済の意志有り
3. 深刻な状況
4. 目的はおおごと
本当は返済の意志が無くても、一応それなりの金額のお金を借りるときは、返済の意志が有ることが前提です。お金を貸してほしい人にその意志を示す、という意味です。
【例2】
クレジットカードを使って買い物しまくり、100万円の借金を作ってしまったルーシー。お給料を返済にあてますが、追いつきません。月々の光熱費の支払いさえ難しくなって、遂に電気とガスを止められてしまいました。そして最終手段、親に泣きついたのです。
Lucy: Mom, can I borrow your money?
Mother: How much?
Lucy: 1,000,000yen.
Mother: No. Period.
1. 100万円と大きい金額
2. 返済の意志が有ることを示している(実際に返済する意志があるかどうかは別)
3. 深刻な状況
4. 目的は借金返済で、かなりおおごと
このような場合は、borrowを使います。
100万円の借金返済というおおごとでなくても、もう少し深刻度を下げて、以下の場合もborrowがふさわしいです。
【例3】
友達と一緒にレストランで食事をしていました。支払いになって、あなたは手持ちが無いことに気づきます。あなたが食べた「子牛のバーベキュー、季節の果物添え」と「ベルギーチョコレートのムース、ラズベリーソースかけ」は、合計3,900円。いつもは持ち歩いているカードも、この日に限って忘れてしまいました。
デザートまで食べるんじゃなかったと思いつつ、あなたは仕方なく友達に、
Can I borrow 3,300yen? I'll absolutely give you back tomorrow.
金額も3,900円と高額ではありません。でも数円のような小額でもありません。ちょっと中途半端な額。そしてあなたは絶対お金を明日返すと言って、返済の意志が有ることを友達に示しています。
きちんと返すから、とりあえず借りてもいいか、と真剣な眼差しで友達にお願いするとき、borrowがふさわしいでしょう。いくら借りるたびに返しているとはいで、しょっちゅう借りていると、たとえ小額でも、友達もいい加減にしろと思うでしょう。
まとめ
useとborrow「借りる」という英語の動詞、今回は特にお金を借りるときに絞って解説しました。
もちろんお金の貸し借りはしないことにこしたことはありませんが、どうしても仕方ないときってありますよね。
そんなとき、useとborrowの使い分けを理解しておけば、お金の貸し借りでつきまといやすいトラブルを、未然に防ぐことができるかも(?)しれませんね。