英文法で可算名詞とは数えられる名詞、不可算名詞とは数えられない名詞と習ったと思います。
例えば犬は数えられるので、a dog。2匹以上のときは複数のsをつけて、two dogs。数えられない名詞であるコーヒーはa cup of coffee、ビールならtwo bottles of beerのように単位をつけて、語尾にsはつけない。
しかし実際は数えられない名詞も数えます。つまりone beerとかtwo beerと表現するのです。
今回は不可算名詞を数えてしまうときは、どんな場合なのか説明します。
two beer 数えられない名詞を数えるとき
不可算名詞を数えるときは、いくつかのパターンがあります。
単位が予想できるとき
みんなが単位を知っている、共通の単位があるとき、数えられない名詞を直接数えます。
ここで注意したいのは、名詞の最後にsはつかないことです。
【例1】
飲酒運転をして警察に捕まると、どれくらいアルコールを摂取したのか尋かれます。あなたの服装や人相から判断して、高級酒ではなくビールだろうと察した警察が、
警察: How many beer did you drink tonight? 今夜何本ビール飲んだのですか?
あなた: I don't know. I don't remember. 分からないよ。覚えてない。
警察: One beer? Two beer? 1本?2本?
あなた: Four beer...maybe more... 4本かな、多分もっと・・・。
アメリカではビールは650mlのボトルが一般的です。ビール1本というと、このサイズのボトルに入ったビールのことです。つまりone beer というのは、650mlのボトルのビール一本ということです。
もちろん缶ビールもありますが、650mlのボトルが一般的です。
【例2】
警察に捕まったあなたは、その夜何をしていたかというと、ピザを頼んで友達とビールでバカ騒ぎをしていたのでした。飲み会を始めるとき、あなたはピザを何枚注文する?と友達に尋かれます。
友達: How many pizza are you going to order? ピザ何枚頼む?
あなた: Well, five pizza. Enough? えっと、5枚。十分かな?
pizzaは数えられない名詞ですが、one pizza、two pizzaと言うと、あの丸い大きなピザ一枚を指します。
宅配ピザが届いて、切り分けた扇型の一枚は、a piece of pizzaとかtwo slices of pizzaと言います。
いくつかの種類
数えられない名詞に複数のsがつくことがあります。これが意味しているのは、複数の種類がある、ということです。
【例3】
友達の家に行くと、買い物から帰ったばかりだとかで、数種類の果物が入った買い物袋がテーブルの上にあります。こんなにたくさんあるから、貰って帰ろっとあなたは図々しいことを考えて、
あなた: Can I take some fruit?
fruitは数えられない名詞で、someをつけたことで、あなたはバナナを2〜3本貰って帰ろうと思っていました。つまり一種類の果物を複数。しかし高級そうなメロンもあったので、
あなた: Can I take some fruits?
sをつけることによって、果物の種類が複数あることを意味します。つまりあなたは、最初バナナを2〜3本と思いましたが、高級そうなメロンも貰っていこうととても図々しいことを考えて、バナナと高級メロンの2つの種類の果物という意味で、some fruitsと言ったのでした。
sがあると無いで意味が異なる
sがつくと返って数が少なくなる単語があります。
【例4】
あなたには、ハゲつつある友達がいます。彼はそのことをとても気にしているようなので励(ハゲ)ますために、
You still have a lot of hair. まだたくさん髪があるじゃない。
という、彼にとってはあまり慰めになっていないことを言ったとします。一応あなたとしては、「薄くなりつつあるけど、髪の毛が太いから、全体的にはまだ十分ボリュームがあるように見えるよ」という意味です。hairにsがついていないので、髪全体を意味しています。人間の髪の毛が全部で何本あるのか、一本一本数えるのは不可能ですから、sをつけないhairは”全部は数えられない”名詞ということです。
しかしもしあなたが、
You still have a lot of hairs.
hairsと、複数のsをつけたとしたら、意味合いが違ってきます。つまり彼は、「数えられるくらいの髪の毛しか残っていないのか」と捉えて、励ますつもりが、彼を傷つけてしまったかも。
慌ててあなたが、
I mean, an uncountable number of hairs. いやっ、あの、数えられないくらいたくさんある髪ってこと。
と付け加えたところで、彼は「肉眼で数えられるかどうかが判断できるくらいしか、自分には髪の毛がないんだ」と、事態はもっと悪くなるかもしれません。普通人の髪を見て、何本あるのか数えられるかどうかなんて考えませんからね。
最後に
英語の教科書や参考書に書いてあるように、可算名詞と不可算名詞の分類や使い方は単純にカテゴリーできるものではありません。
実際には不可算名詞であるはずの単語が数えられていたり、複数のsがついていたり。
私も最初はアメリカ人が間違っていると思いましたが、別に間違っているわけではなく、学校で習った通りにいかないのが言語なんだなとあらためて思ったものです。
以上、数えられない名詞を数えたらどうなる?英文法可算名詞と不可算名詞についてでした。