「私の友達が昨日ね、あ〜だこ〜だ」と自分の友達について人に話すとき、所有格を使ってmy friendと繰り返してはいませんか?
決して間違ってはいませんが、聞いてる方としてはちょっと悲しくなってくることも・・・。
同じ「私の友達」という意味でも、前置詞ofに所有代名詞を使い、a friend of mineとするとちょっといいかも、という今回のお話です。
MY friend
my friendとすると、尋いている相手はどんな印象を持つのでしょうか。
【例1】
ジョン: My friend, Tim, found 50,000yen on the street yesterday. 僕の友達のティムって奴がね、昨日道端で5万円拾ったんだって。
あなた: 50,000yen? 5万円?
ジョン: Yeah! Tim is my friend, so I think he'd give me some. そう!ティムは友達だから、いくらかくれると思うんだ。
ジョンが「僕の友達のティム」と繰り返すと、あなたはちょっとイラっとくるか、何だかちょっと疎外されているような気がしませんか?
ジョンとティムという友達の輪があって、あなたはその輪の外。ティムは僕の友達で、あなたの友達ではない。そしてティムと僕は友達だけど、あなたと僕は友達ではない。ジョンの中にはこういった意味が意図的か無意識なのか分かりませんが、含まれていて、それが聞き手には伝わるので、聞いている方としてはちょっと寂しく思うのです。ジョンとすれば、ティムが拾った5万円の中から、お前の取り分は無し、ということ。そしてあなたは、そうか、ジョンと自分は友達だと思っていたけど、ジョンはそうは思っていなかった、という事実を知るのです。
【例2】
これはよく母親が子供に対して言います。
我が子がいいことをすると、
母親: Eiji, you got an A+ in math! You're my son. 英二、数学でAを取ったの!さすが英二は私の息子ね。
子供が数学で良い成績を取った。自分に似て頭がいい。賢いところは旦那ゆずりではなく、自分の血筋ということです。
逆に子供が悪いことをすると、
母親: I can't believe Eiji threw an egg at his teacher. He's your son. 英二が先生に卵投げつけたなんて信じられない。やっぱりあなたの子ね。
そういう悪いことするのは、旦那ゆずり。父親にそっくり。こんな悪いことするのは、自分の血筋からではない。旦那の家系。ということで、旦那に文句を言う母親。
a friend of mine
一方、a friend of mineとすると、「友達の中の一人」という意味合いになり、話の聞き手に対して、あんたはカヤの外ということはなくなります。
【例3】
偶然道端で会った女友達が、男の子と一緒です。あなた(女性)にその女友達が、
女友達: Hi, Miyu! I don't think you've met Eiji. This is Eiji. He's a good friend of mine. あっ、こんにちは、ミユ!英二君に会ったことないよね。こちら英二君。いいお友達なの。
あなた: Hi Eiji. こんにちは英二君。
女友達: Eiji, this is Miyu. She's also a good friend of mine. 英二君、こちらはミユ。ミユも私のいいお友達なの。
このことから分かるのは、女友達と英二くんはただの友達ということです。デートではなく、友達としてたまたま道を歩いているところに、あなたと出くわしたのです。そして女友達は、あなたと英二君を同じくらいいいお友達と見なしているということです。あなたと英二くんが友達になったとしても、それはそれでいいことだ、くらいに女友達は思っています。
使い分け
一見、「〜 of mine」を使えばどんなときもOKのように見えますが、そうでない時もあります。
【例4】
【例3】のシチュエーションで、男の子と一緒の女友達に出くわしたあなた。
女友達: Hi, Miyu! I wanna show him. This is Eiji. He's a good boyfriend of mine. ミユ!彼紹介するね。こちら英二くん。とってもいい彼氏なの。
boyfriendとは彼氏という意味です。a boyfriend of mineと言うと、女友達には彼氏が何人かいて、英二くんはその中の一人、というふうに解釈できます。あなたや英二くんは、この女二股三股してるんだ、と思ってしまうかも。ですから英二くんにバレないために、女友達は、
He's my boyfriend.
と言うべきで、goodも外しましょう。goodがあると、「彼は、いい彼氏」がいるなら、別に「悪い彼氏」もいるのか、と勘ぐられてしまうかもしれません。そこまで深く考える人はいないと思いますが。
また相手がどちらを使ったかで、相手の意図が見えるという例をもう一つ挙げます。
【例5】
【例3】のシチュエーションで、女友達が一緒にいる男の子をあなたに紹介するとき、
女友達: This is Eiji. He's my friend. こちらは英二君。私の友達なの。
と、a friend of mineではなく、敢えてmy friendと女友達が言ったとします。特にmyを強調して。これは、今の状況ではまだ友達の関係だけど、その内彼氏になる人だから、手を出さないように、とあなたに釘を刺しているのです。つまり女友達は、英二君に気があるということです。私の男に手を出すな。
まとめ
my friendは、私のものであんたのものじゃない、というニュアンスがあるので、聞き手は少しイラときたり、寂しく思うのです。
一方a friend of mineは、そういった所有的な意味合いが薄れます。
とりあえず自分の友達について、誰かと雑談するときは、a friend of mineを使うと無難です。
複数の友達について話すときは、friends of mineです。
以上、「my friend」と「a friend of mine」の違いと使い分けについてでした。