高校の時英語の先生が「現在完了形have done」と「現在完了進行形have been ~ing」の意味の違いを説明してくれましたが、その使い分けや使い方がさっぱり理解できませんでした。
他の英語勉強サイトでも「現在完了形have done」と「現在完了進行形have been ~ing」の違いが説明されていますが、高校の英語の先生のそれと何も変わらず、これで英語学習者は理解しているのだろうかと疑問が沸きます。
おまけに高校の時習ったその違いについての説明や他のサイトの解説は、間違ってはいませんが、実際のとは微妙に異なるような・・・。
今回は、「現在完了形have done」と「現在完了進行形have been ~ing」が実際にはどのように使われているのか、意味の違いを実践的例文で分かりやすく解説します。
違い1: 過程が大事
現在完了形は、過去の一点からことが起こり、その状態や動作が現在でも続いている、という意味です。
一方現在完了進行形は、過去の一点からことが起こり、その動作が今現在も進行形である、ということです。
・・・なんて英語の参考書にあるような説明では、さっぱり違いが分かりませんよね。一応王道の説明をしてみました。
で、実際にはどうように使い分けをされているのか、実際の意味の違いを実践的に解説します。
【例1】
以前付き合っていた彼氏は、いつも約束に遅れる人でした。10〜15分の遅刻ならいい方。30分以上遅れることもざらでした。
待ち合わせの駅の前でスマホをいじりながら、特に何も考えずぼ〜っと彼氏を待っている私に、友達からメール。どれくらい待っているの?と尋かれて、
私: Well, I've waited for twenty minutes.
時計を見ると6時15分でしたから、待ち合わせの6時より5分前に到着した私は計20分、彼氏を待ち続けていました。
この場合は待った時間が全部でどれくらいか、あるいは単にこれだけ待った、という全体の状態や事実、結果を表しています。
【例2】
別の日、彼氏を待っている時のことでした。駅前で待っていると突然雨が。改札を出るとすぐ外という駅だったので、雨宿りのため駅の中で待つわけにいかず、私は雨に濡れることに。おまけに目の前を自転車が通り過ぎ、おもいっきりハネが上がって私のスカートに泥水が。いつも待たされてばかりで、いつものことなのに急に涙があふれてきました。すると駅員の方が、中で待ちなさいと改札口の中に私を入れてくれたのです。駅員さんの優しさにまた涙が。
・・・そんな出来事が彼氏を待っているときにあって、その間彼氏との関係について色々考えました。
すると友達からメールが。
私: I've been waiting for him for twenty minutes.
何かあったのでは?と察してくれた友達は、雨の中駅まで飛んできてくれて、彼氏より先に着いたのです。友達の顔を見た瞬間、また大粒の涙がこぼれました。
単に待ったのではなく、待っていた間に何が起こりどのような状態で今に至るのか、そんな待っている間の過程にフォーカスしているのが、have been doingの形の現在完了進行形です。
例1では、彼氏が30分遅れで到着し、
I've waited for 30 minutes.
とちょっと起こりぎみに、でもかわいく言う私。彼氏はごめんごめんと口で言うだけで、あまり真剣に受け止めることもないでしょう。
例2では、彼氏に
I've been waiting for you for 30 minutes.
と感情的になって言う私に、彼氏は、一体どうしたんだと慌てることでしょう。
あなたを30分も待っていた。いつもいつも待たされて、なのにあなたはちっとも悪いと思っていない。私を、私の時間を何だと思っているの。
と、冷たく降る雨が、私を余計に感情的にしたのでした。
今思い出しても切なくなります。
違い2: 一時的なこと
現在完了進行形は、一時的なことで、それがこれからもずっと続くわけではない、と意味するときに使われます。
【例3】
築35年の古い木造アパート"散々荘"に住んでいるKai君。古いだけでなくそこに住む住人もワケありばかりです。壁が薄いので喧嘩する怒鳴り声は筒抜け、しかも階段を上り下りるすると、アパート全体に震度1の揺れが。壁紙が剥げ落ち、畳も古くシミだらけ。大家に言っても状況は変わりませんが、そのくせ家賃の支払いが遅れると、鬼の喧騒で怒鳴り込んできます。台風が直撃すれば真っ先に破壊されるのは間違いないアパートですが、唯一いいことは、家賃が信じられないくらい安いこと。
Kai君は一日も早く引っ越すために、必死で働いてお金を貯めています。
しかしそんなボロアパートに住んでいるのは、やはり恥ずかしく、人にどこに住んでいるのか尋かれると、
Kai: I've been living in Sanzan Sou.
Kai君は、今はボロアパートに住んでいるけど、これは一時的なことで、一生ここに住むというわけではない。今一生懸命働いてお金を貯めいるので、もうすぐ引っ越せると思う。散々荘には、お金を節約するために一時的に住んでいるだけなんだ。
そんな意味合いの、have been livingの現在完了進行形です。
【例4】
大学進学で上京した学生が、卒業後は地元にUターン就職することを決めているのなら、
I've been living in Tokyo.
東京に住むのは学生の間だけで、一時的なものなので、have been livingの形で現在完了進行形を使います。
まとめ
実際には現在完了形と現在完了進行形が、明確に使い分けられているわけではありません。
しかし違いを知っておくと、やはりその裏の深い部分が理解できます。
以上、現在完了形と現在完了進行形の意味の違いと、使い方・使い分けを解説しました。