「〜の前に」を表すbeforeとin front of について、「「私の前」 ”in front of me“と”before me”の違い」で詳しく説明しました。
今回は、前ではなく後ろ。「〜の後で、〜の後に」という表現、afterとbehindの違いについて解説します。
お先にどうぞ、after you
beforeとin front ofの違いと同じように、beforeは方向性があるように、afterも方向性があります。
after you
という丁寧な表現があります。偶然トイレに同時に入ろうとした人に、「お先にどうぞ。あなたの後で結構です」と譲ってあげたりする場合に使います。トイレという目的地があって、そこに向かって並んでいる。方向性があります。
After brushing my teeth
歯を磨いた後
文章につなげてafter ~という言い方をしますが、これも時間的な方向性があります。
Please repeat after me.
私の後について言ってください。
英語の発音練習で、先生がよく、後について言ってくださいと、この表現を使います。この場合のafter meも、先生が先、生徒が後という時間的方向性があります。
場所的な後ろ、behind you
一方で、behindは、対象物から見た「後ろ」を指します。
I’m behind you
相手の後ろにいる、私から見て、あなたは私の後ろにいる、という意味です。
He’s behind me.
彼は私の後ろにいる、ということは、何だかストーキングしているようで怖いです。何となくいつもつけ回してくる男がいて、その人が今私の後ろにいる、そんな感じ。
どこにいる?どこにある?と場所について言うときも、
I’m behind the store.
お店の裏にいる。
It’s behind the chair.
椅子の後ろにある。
これらは学校で習った、典型的なbehindの使い方です。このような使い方以外にも、behindは結構使える英単語です。
一定の列の中で、behindを使うと、その前後にあるもの・人などが、ちょっと曰く付きであることを意味します。
例えば走る車の列で、ある車が自分の後ろにつけている。その車はさっきから煽ってきたり、車間距離を極端に縮めてきたり、窓からドライバーが何か叫んできたり。助手席に乗る妻が、運転する夫に、
Watch out the car behind us.
後ろの車に気をつけて。
のろのろ走る車の後ろにつけちゃったもので、ちっとも進まない。イライラしながら、
We got stuck behind a slow-moving car.
映画やコマーシャルやドラマなどの、撮影現場やフィルムメイキングの様子を記録したドキュメンタリーを見たことがありますか。俳優や監督が打ち合わせをしていたり、スタッフが撮影準備していたり。そんな裏側を記録したものを、
behind the scenes
と言ったりします。
まとめ
「〜の後で、〜の後に」を意味するafterとbehindの違いについて、解説しました。特にbehindについては、学校で習った、単に場所的なことを指すのではなく、場所的に後ろ側だからこそ、もうちょっと踏み込んだ使い方をします。人間は常に物事の裏側に興味がありますからね。